近代俳句を確立した俳人、正岡子規が、自身の句や弟子の俳人高浜虚子、河東碧梧桐、友人の作家夏目漱石、幸田露伴らの句を集めて書き写した選句集。その存在は以前から知られていたが、実物が確認されていなかったため“幻の書”といわれていた。2009年7月に東京都千代田区で開かれた「明治古典会七夕古書大入札会」に出品されるため実物が公開され、話題となった。数年前に古書市で発見されたという。1894年(明治27年)ごろに子規自身の手によって編まれたもので、674ページ。同時代の俳人たち約90人の句が収録されており、未発表の子規の句も「馬士(まご)一人馬にひかるゝかれ野哉」など、4句が収められているという。同集は「明治古典会七夕古書大入札会」でオークションにかけられ、入札最低価格は2000万円からスタート。大きく上回る価格で落札されたが、最終的な金額は落札者の意向で明らかにされていない。