お子さまの健やかな成長を願って行われる皇室儀礼。一般の七五三に当たるもので、5歳ごろに行われる。2011年11月3日、東京・元赤坂の赤坂東邸で、9月に満5歳の誕生日を迎えた秋篠宮(あきしののみや)家長男悠仁(ひさひと)さまが両儀式に臨まれた。着袴(ちゃっこ)の儀は、皇太子ご夫妻の長女敬宮(としのみや)愛子さまが06年11月に行って以来5年ぶり。また深曽木(ふかそぎ)の儀は主に男子の儀式とされ、男性皇族としては父の文仁さまご自身が礼宮(あやのみや)として、1970年10月に行って以来41年ぶりとなる。当初春に行う予定だったが、東日本大震災のため延期されていた。着袴の儀は、初めて袴を着ける儀式で、一般には「袴着(はかまぎ)」と呼ばれ、「源氏物語」などにも見えるように、平安時代には皇族や貴族の間で行われていたが、江戸時代には、武家や有力商人などが3歳時の「髪置き」、7歳時の「帯解き」とともに祝うようになり、今日の七五三の原形になったとされる。悠仁さまは「落滝津(おちたぎつ)」という滝の文様をあしらった衣装を身に着け、宮内庁御用掛らに白い袴を着けてもらった。続いて行われる深曽木の儀は、「髪削ぎ」とも呼ばれ、髪置きを済ませてから伸ばした髪先を切りそろえる儀式。皇室では碁盤の上に立つのが特徴で、「童形服(どうぎょうふく)」と呼ばれる子供用の装束に着替えた悠仁さまは、右手に扇、左手に小松2本と山橘(やまたちばな)1本を持って碁盤に置かれた2つの青石を踏みしめて立ち、御用掛に髪先を切ってもらうと、南に向かって飛び降りた。これらの衣装は、天皇皇后両陛下から贈られたものという。その後、悠仁さまはご両親に伴われ、宮中三殿を参拝後、御所で両陛下にあいさつされた。