新書に造詣の深い書店員と、出版各社の新書編集部の編集長の計60人、いわば“新書のプロ”たちが、2008年に発売された新書1500点以上の中から順不同で、「面白い」「優れている」「おすすめ」の5冊を選び、その結果を集計した最高の46冊。公平を期すため新書編集部は自社作品には投票しない。中央公論新社が主催。大賞に選ばれたのは、急激に貧富の差が進むアメリカの現状を描いた堤未果の「ルポ 貧困大国アメリカ」(岩波新書)、2位には、神谷秀樹「強欲資本主義 ウォール街の自爆」(文春新書)、前回の07年版で大賞を受賞した福岡伸一の「できそこないの男たち」(光文社新書)、宇田賢吉の「電車の運転」(中公新書)が並んだ。5位は比類なき巨知といわれた漢字研究者の白川静を描いた松岡正剛の「白川静」(平凡社新書)、6位は、周知の経済学者の思想体系を再構築した堂目卓生の「アダム・スミス」(中公新書)、7位は杉山茂樹「4-2-3-1」(光文社新書)、8位は姜尚中(カン・サンジュン)の「悩む力」(集英社新書)、高橋克徳ほかの「不機嫌な職場」(講談社現代新書)、金子勝「閉塞経済」(ちくま新書)の3冊。書籍版には、目利きの評者による「15ジャンルのおすすめ3冊」や「腰巻ベスト10」なども収録され、09年3月10日に発売された。