広島県呉市音戸町の西沖合約1kmに浮かぶ無人島。南北二つの島からなるが、「三ツ子島」の通称で呼ばれる。北にある小さいほうの島は国有地だったが、2010年2月9日、一般競争入札により、予想を大きく上回る1億1万円で落札された。09年12月11日、財務省が進める未利用国有地売却の一環として、中国財務局が一般競争入札による売却を発表。国が無人島を売却するのは初めてのことで、全国的な話題となり、1月14日の締め切りまでに、広島をはじめ東京や千葉など全国27の個人・法人が応募、実際の入札には18組が参加した。外周約580m、面積約7600平方m。周辺はカレイやメバル、アジなどが釣れる好漁場だが、着岸施設はなく、瀬戸内海国立公園内のため現状変更の規制も厳しく、また第二次世界大戦中は旧海軍の消毒施設だったため、土壌汚染や地下埋設物の可能性があり、開発には時間が必要とされてきた。しかし、落札した港湾運送会社「三ツ子島埠頭(ふとう)」は、約50年前から南側の島を所有し、メキシコ産工業塩の中継基地としており、今回の応札は、北側の島の使われ方次第では、船の出入りなどに支障が出るためとしている。