1959年、アメリカの玩具メーカー、マテル社によって誕生した身長約30センチの着せ替え人形。夫エリオットとともにマテル社を創業したルース・ハンドラーが、愛娘バーバラの人形遊びをヒントに、これまで赤ちゃん人形しかなかった少女用人形の世界に、自分が大人になった時をイメージしながら遊べる金髪8頭身の人形を考案。娘の愛称である「バービー」と名付け発売したところ、たちまち大ヒット。パリのオートクチュールをはじめとする最先端ファッションや、フライトアテンダント、バレリーナ、歌手、宇宙飛行士など、その時々の人気職業を模したり、幅広く用意された衣装や家具、小道具などが熱狂的なファンを生んだ。70年代にはアメリカ建国200年記念のタイムカプセルに収められたり、グラフ誌「ライフ」でファッション史の特集に採り上げられたりと社会現象にもなり、さらにはアンディ・ウォーホルやピーター・マックスといったアーティストたちのモチーフにもなるなど、文化史的な存在にまで成長。90年代になると、クリスチャン・ディオールやボブ・マッキーなど世界のトップデザイナーがバービーのワードローブをデザインするまでになった。また、80年代ごろから大人たちを中心にコレクションブームが過熱。プラチナラベル、ゴールドラベルといった限定ドールや復刻バービーなど、さまざまなバリエーションが生まれている。現在までに世界150カ国で、累計10億体以上が販売された。2012年4月29日には、イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤルウエディング1周年を記念して、式当日の二人を忠実に再現したゴールドラベル「ウイリアム&ケイト ロイヤル ウエディング ギフトセット」を発売。世界限定2万2500個で、日本でのメーカー希望小売価格はペアで税込1万2600円。