出版流通の全国販売網をもつ取次会社のトーハン(本社・東京都新宿区)と日販(NIPPAN 日本出版販売 本社・東京都千代田区)が、2011年12月~12年11月までを集計した年間ベストセラー20。トーハンは、総合、文庫総合、単行本(文芸/ノンフィクション他/ビジネス/ゲーム関連書/児童書/実用書)、新書(ノベルス/ノンフィクション)、全集の5部門11分野。日販は、総合、単行本フィクション、単行本ノンフィクション、単行本実用、単行本ビジネス、新書フィクション、新書ノンフィクション、ゲーム攻略本の8部門の集計ジャンルがある。トーハン、日販ともに総合トップに輝いたのは、阿川佐和子が長年の対談連載で培ったコミュニケーションのこつを書いた「聞く力」(文春新書)。調査が発表された12年12月3日の時点では、「聞く力」で85万部と、ミリオンセラーが一つもない状況だったが、12月10日に15万部増刷、累計100万部に達し、本年の新刊で初のミリオンセラーとなった。2位は、思い通りにならない日々を心の持ちようでどう暮らしていくかを教える渡辺和子の「置かれた場所で咲きなさい」(幻冬舎)。小説は不振を極め、三浦しをんの「舟を編む」(光文社)がトーハン、日販ともに5位だったことが挙げられる程度。本年の特徴としてはダイエット関連本や健康本のヒットで、「体脂肪計タニタの社員食堂」(大和書房)、「美木良介のロングブレスダイエット」(徳間書店)、中村格子「実はスゴイ!大人のラジオ体操」(講談社)、南雲吉則「50歳を超えても30代に見える生き方」(講談社)などがランクイン。児童書の健闘も目立った。