大麦の麦芽、水、ホップを発酵させた発泡性の醸造酒。ホップによる独特の香ばしさと苦みが特徴。麦酒ともいう。麦芽(モルト)とは、ビール麦と呼ばれる大麦を発芽・乾燥させたもので、主に二条大麦を使用する。これら主原料の他に、米、コーンスターチ、糖類などの副原料を加え味を調える。また、熱処理していないものを生ビールといい、日本ではドラフトビールと呼んでいる。ビールは醸造方法により3種類に分類される。上面発酵では20度前後の常温で発酵させ、発酵中に酵母が泡とともに表面に浮上する。初期のビール醸造では主流で、イギリスのエール、ドイツのケルシュ、アルト、アイルランドのスタウトなどがある。甘い香りが特徴で、冷やさずに飲むのが最適とされる。下面発酵では10度前後で発酵させ、発酵の終わりに酵母が底に沈殿する。一般にラガービールと呼ばれ、現在では世界的に主流となっている。チェコのピルスナーやドイツのボック、黒ビールとして有名なドイツのミュンヘンビールなどがある。すっきりとしたのどごしが特徴で、冷やして飲むのに適している。自然発酵では野生酵母を使用する。ベルギーのランビックが有名で、木たるの中で2年近く自然発酵・熟成させる。独特の香りと強い酸味が特徴。