世界的な鉄道模型の収集家で製作者の原信太郎(はらのぶたろう)が、約80年をかけて築いた世界一と言われるコレクションを展示した博物館。2012年7月10日、日本の鉄道発祥の地である横浜のみなとみらい21地区にオープン。原信太郎は1919年4月4日、東京生まれ。東京工業大学工学部機械工学科卒業。勤務先の株式会社コクヨでは、300を超える技術特許を個人で請願・維持した上で退職時に同社に寄贈。退職金を基金として、新しい時代の科学技術研究者を支援することを目的に財団法人原総合知的通信システム基金を設立。2012年現在、同財団理事長、サンフランシスコ大学名誉理事を務める。原は幼少期から鉄道好きで、小学生ですでに1番切符を集め、13歳で最初の模型を製作し、鉄道技術書籍を読むためにドイツ語、フランス語を習得。延べ約380カ国を訪れて模型を製作・収集。所蔵模型約6000両。撮影スチール約10万枚、フィルム約440時間。鉄道関連書籍・関連コレクションも多数所蔵している。原の鉄道模型の特徴は、蒸気機関車から電気機関車へと鉄道が著しい発展を遂げた時代の、日本・ヨーロッパ・アメリカを中心とした鉄道車両を再現したコレクションで、模型は架線から電気をとり、鉄のレールを鉄の車輪で走行するなど本物の車両を忠実に再現している点にある。館内は「いちばんテツモパークジオラマ」「横浜ジオラマ」の2つの鉄道ジオラマと3つの展示室、多目的ルームからなる。延床面積約1700平方メートル、展示面積は約1200平方メートル。事業主は三井不動産。「いちばんテツモパークジオラマ」は一番ゲージ(縮尺約1/32)の室内の鉄道ジオラマとしては世界最大級の面積(約310平方メートル)。蒸気・電気・トロリーの軌道が走る、1周約70メートル、線路数6本、総延長約450メートルの巨大なレイアウトで、駅舎は横浜の姉妹都市フランスのリヨン市リヨン駅をモチーフとしている。「横浜ジオラマ」はかつての横浜駅(現・桜木町駅)周辺の様子や馬車道や中華街エリアなど横浜の街並みをHOゲージ(縮尺約1/80~1/87)で再現している。開館時間は11時から18時。休館日は毎週火曜日と年末年始の12月31日~1月2日。入館料は大人1000円、中学・高校生700円、子ども(4歳以上)500円(税込み)。