シンクロナイズド・スイミングの中継放送用に、NHKが独自開発した水面合成カメラ。2台のカメラで水上と水中の動きをそれぞれ撮影して1つの映像に合成する仕組みだが、空気中と水中では光の屈折率が異なるために水中の被写体は1.33倍に大きく見え、単純に合成するだけでは不自然な映像になってしまう。NHKは2台のカメラレンズのズーム比を自動調整する仕組みを考案し、2010年から中継放送で試験運用しながら改良を重ね、カメラの配置や制御方法に工夫を加えて、ズームやパンの操作もできるシステムを作り上げた。世界でもNHKにしかない技術であることから、ロンドン・オリンピックでは、世界各国のテレビ局に配信される国際映像の制作を統括するオリンピック放送機構(OBS)から協力依頼を受け、機材と技術を提供した。