静岡県袋井市観光協会が企画した、地元の、宗派の違う5つの古寺をめぐってお坊さんの日常生活や修行が体験できる癒やしのツアー。2009年6月の静岡空港開港をきっかけに、古寺名刹(めいさつ)が多い袋井市の魅力を生かして新たな旅行商品を開発しようと考えられた。ツアーで回る寺は、眼病平癒の寺として有名な真言宗智山派「医王山 油山寺(ゆさんじ)」(701年創建)、曹洞宗の禅の道場として名高い「秋葉総本殿 可睡斎(かすいさい)」(1400年ころ創建)、厄除け観音として知られる高野山真言宗「法多山(はったさん) 尊永寺」(725年創建)、東海道の寺子屋の先がけとされる真言宗の「安養山 西楽寺」(724年創建)、天台法華宗の寺として793年に創建され、現在は曹洞宗の「袋井山 観福寺」。うち油山寺、可睡斎、法多山は「遠州三山」として知られる。ツアーの内容は、まず作務衣(レンタル)に着替え、観福寺で発心式と呼ばれる僧侶になるための儀式を行う。次に可睡斎で作法を学び、精進料理(昼食)をいただく。西楽寺に移って仏像の意味や形、その心を学ぶ。また寺子屋の生徒になって入門書をもとに現代でも活用できる学習内容を体験する。その後、可睡斎に戻り修行僧の夕食「薬石(やくせき)」をいただく。法話を聞き、夜座といわれる座禅の後、午後9時に就寝。翌日は5時起床、暁天座といわれる朝の座禅を組み、本堂において僧侶とともにお経を読むおつとめ(朝課)を終えた後、修行僧の質素な朝食「小食(しょうじき)」をいただく。その後、作務(清掃)を行い、油山寺で般若心経を写経し、それを唱えながら油山寺内の「るりの滝」で滝行をする。昼食は薬膳台。法多山に移動して「お茶の歴史と心」をひもときながら、おいしいお茶の入れ方を学ぶ。また「心の書」として、この旅で学び体験し感じたことを「一文字」の漢字で表現し、交流を深める。最後に修了式では修了証書が渡される。1泊2日(2万1000円)、2泊3日(2万8500円)のコースとも内容は同じ。平成21年度(2009年4月~10年3月)は2月13~14日、26~28日の2回。平成22年度(10年4月~11年3月)は、5月、9月、11月、2月の計4回行われる予定。