日本人のノーベル賞受賞第1号は、第二次世界大戦の終戦間もない1949年に「中間子理論の研究」で物理学賞を受賞した湯川秀樹(1907~81)。その後ノーベル物理学賞は、65年に朝永振一郎(1906~79)が「量子電気力学の分野における基礎的研究」で、73年に江崎玲於奈(1925~)が「半導体におけるトンネル効果と超伝導体の実験的発見」で、2002年に小柴昌俊(1926~)が「宇宙ニュートリノの検出に関する貢献」で、08年に小林誠(1944~)と益川敏英(1940~)が「対称性の破れの起源を発見し、あと少なくともクオークが3種類存在すると予言したこと」で受賞。この年は、アメリカ国籍の南部陽一郎(1921~)も「素粒子物理学における『自発的対称性の破れ』の発見」で物理学賞受賞、下村脩が化学賞受賞と、ノーベル賞ラッシュに沸いた。ノーベル化学賞は、1981年に初めて福井謙一(1918~98)が「化学反応過程の理論的研究」で受賞。2000年に白川英樹(1936~)が「導電性高分子(電気を通すプラスチック)の発見と開発」で、01年に野依良治(1938~)が「触媒不斉合成の開発に対するキラル触媒による不斉水素化反応の研究」で、02年に田中耕一(1959~)が「質量分析法のための脱離イオン化法の開発」で受賞し、3年連続受賞の快挙となった。08年に下村脩(1928~)が「緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見と開発」で受賞、10年には根岸英一(1935~)と鈴木章(1930~)が、アメリカのリチャード・ヘックとともに「有機合成におけるパラジウム触媒を用いたクロスカップリング」で受賞した。ノーベル医学・生理学賞は1987年に利根川進(1939~)が「多様な抗体が作られる遺伝的原理の解明」で受賞。ノーベル文学賞は1968年に川端康成(1899~1972)、94年に大江健三郎(1935~)が受賞し、ノーベル平和賞は74年に佐藤栄作(1901~75)が受賞している。日本人のノーベル賞受賞者(アメリカ国籍を含む)は18人で、物理学、化学、医学・生理学、文学、平和、経済学の6分野のうち、日本人受賞者がいないのは経済学賞だけ。