環境問題が主要議題となる2008年7月の「北海道洞爺湖サミット」にちなみ、水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、同年6月3日付(発表は4日)で、環境省が1985年選定の「名水百選」に加えて新たに選んだ全国100カ所の名水。2007年12月22日に概要が発表され、各県4カ所を限度に推薦を募ったところ、長崎県を除く46都道府県から162カ所の応募があった。選考基準は、(1)水質・水量、(2)周辺の生態系、(3)近づきやすさや安全性、(4)水利用の状況、(5)保全活動、(6)故事来歴や希少性の6つで、今回特に重視されたのが地域の生活に溶け込んでいる清澄な水環境と、地域住民らの主体的かつ持続的な保全活動。これを踏まえて、広島大学大学院工学研究科の岡田光正教授を委員長とする検討委員会が、3回の審査を重ね、埼玉県の「元荒川ムサシトミヨ生息地」、山梨県の「御岳昇仙峡」、三重県の「赤目四十八滝」、和歌山県の「那智の滝」など100カ所を選び出した。