お正月の特別料理。お節(おせち)とは、もともとは正月や端午、七夕など五節供(ごせっく)の日に、神様にお供えした料理である御節供(おせちく)を言ったが、次第に正月料理のみを指して言うようになった。農耕をつかさどる歳神(年神)様へのお供えであるおせち料理には、栗きんとん(黄金色に見えることから豊作、金運を願って)など、新年の豊作と子孫繁栄や家族の無病息災を願う意味が込められている。地域や家庭によって食材は異なるが、「喜ぶ」にかけて昆布、芽が出るようにという意味でクワイ、昔は「健康」を意味する言葉だった「まめ」や、まめまめしく働けるようにとの意味で黒豆、ニシン(二親)の子なので子孫繁栄で数の子、ひげをもち背中が曲がっているので長寿の願いを込めて海老、など。これらを年の暮れのうちに煮物など日持ちのよい料理にする。重箱に詰めるというイメージが強いが、大皿や大鉢に盛り合わせる地域も多い。