近代俳句再生の祖・正岡子規やその弟子高浜虚子、河東碧梧桐など、個性豊かな俳人を多数輩出した愛媛県松山市で、全国の高校生が俳句の出来栄えと鑑賞力を競う全国高校俳句選手権大会。2009年8月8~9日に第12回全国大会が行われ、9日の決勝で愛媛県立松山中央高校が洛南高校(京都府)を破り、初優勝を遂げた。地元愛媛県勢の優勝は8年ぶり。また、大会中発表された全1260句の中から、熊本県立菊池高校の中川優香さんが詠(よ)んだ「琉球を抱きしめにゆく夏休み」が、個人最優秀賞に選ばれた。NPO法人の俳句甲子園実行委員会が主催し、松山市が共催。俳句を介して高校生の日本語能力の向上、将来的な俳句文学の興隆を図り、同時に高校生相互の文化交流や、大会にかかわる異世代との社会的交流を深め、豊かな人間性を育むことを目的として創設された。第12回全国大会には、地方予選を勝ち抜くか、投句応募審査によって選出された全国36チームが出場。試合は1対1の対戦形式で、同一高校の5人1組からなる2チームが、あらかじめ与えられた題(兼題)を詠み込んだ句を交互に1人ずつ発表。対戦相手が質疑応答によりこれを評価し、俳人の金子兜太ら審査員の採点により作品ポイントと鑑賞ポイントを競う。