火喰鳥。ダチョウ目ヒクイドリ科に属する鳥の総称。ヒクイドリ科には、オオヒクイドリ、パプアヒクイドリ、コヒクイドリの3種があり、代表種のオオヒクイドリを単にヒクイドリと呼ぶこともある。翼が退化して飛べない走鳥類の一種だが、時速50キロほどで走る。ニューギニアとその周辺の島々、オーストラリア北東部に分布する。オオヒクイドリは、頭高1.8メートル、体重85キロほどに成長し、現在の鳥類ではダチョウに次いで重い。姿は、同じダチョウ目の走鳥類エミューに似ているが、頭上に角質のかぶと状突起があり、頭頸部は皮膚が裸出し、前頸から肉垂(にくだれ)が下がっている。裸出部分の皮膚は青、赤、黄、橙など。地上の果物、昆虫類やミミズなどを捕って食べる。脚とあしゆび(3本)がきわめて強く、また気性が荒いため「世界で最も危険な鳥」とも言われている。2006年の動物愛護法改正で、人に危害を及ぼす恐れがある動物として、都道府県知事または政令市の長の飼養許可と厳重な管理が必要な「特定動物」に規定されている。2012年8月3日、秋田県鹿角市で、観賞目的で飼われていた9歳の雌のヒクイドリが逃げだし騒ぎになった。同日中に捕獲されたが、8月7日、秋田県は、飼い主に再発防止策を取るよう措置命令を出した。