財団法人日本城郭協会が、城郭探訪を生涯学習に役立てようと学術的な観点から選定したヨーロッパの100名城。2010年12月24日に選定会議が行われ、11年2月15日に選定までの経緯と結果の記者会見が行われた。同協会は、城を「防御的構築物」と定義、選定基準に(1)優れた文化財・史跡であること、(2)著名な歴史の舞台となったこと、(3)時代・地域の代表であることの3点を定め、450城をリストアップ、それを、新谷洋二(都市工学)、樺山紘一(西洋史)、小池寿子(西洋美術史)、野口昌夫(西洋建築史)、紅山雪夫(旅行作家・城郭研究家)ら5人の選定委員が128の最終候補に絞り込み、0~2点までの得点方式でランクづけ、結果、10点(満票)が37城、9点が27城、8点が26城などとなったが、さらに、地域バランス、歴史的価値や美しさ、世界遺産であること、保存状態の良さなどを評価対象として100城が選定された。なお、古代ギリシャ・ローマから始まる城郭都市も含まれる。100城には、イギリスのウィンザー城をはじめ、ドイツのヴァルトブルク城、フランスの城郭都市カルカソンヌ、スペインの城郭都市アビラなどが選ばれている。地域別に見ると、イタリアとフランスが各11城ずつで最多、次いでイギリス、ドイツが各10城で、35カ国に及ぶ。ヨーロッパの範囲はウラル山脈・黒海・マルマラ海・エーゲ海以西とした。52城が世界遺産の指定を受けている。