実際の出産シーンが日本映画史上初の無修正公開となった、市井昌秀監督の映画作品。2009年10月10日劇場公開。この映画は、08年第30回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)で作品賞など3部門受賞、第13回釜山国際映画祭でグランプリを獲得。市井監督の出身地である富山県射水市を舞台に、流産経験に苦しむ、プラスチック工場に勤める主婦が、出産を控えた新米パート女性の指導役となることから経験する心の葛藤と再生を、高い緊張感のなか克明につづっていく。クライマックスの出産シーンは、市井監督の妻で女優の今野早苗が実際に分娩室で出産したもの。市井監督は、1976年生まれ。お笑いユニット「髭男爵」の創設メンバーだが99年に脱退。「隼」(2005年)で、06年第28回PFFの準グランプリ、技術賞(IMAGICA賞)を受賞している。「無防備」をPFF出品の際、映倫(映画倫理委員会)は出産シーンにモザイクをかけることで上映を許可したが、配給会社のエスピーオーは劇場公開にあたり、修正は本意ではないと無修正での上映を求めて再審査を申請。それに対して映倫は「わいせつ性は認められない」と判断、「R18+」指定付きで無修正公開を許可した。