馬のスピードと耐久性を競う、国際馬術連盟(FEI)が公認する馬術競技の一つ。enduranceは、「持久力」「耐久性」という意味。アメリカのカリフォルニア州で、1955年から始まった100マイル(160km)を1日で走行するレース、通称テヴィス・カップを起源とする。これは、ゴールドラッシュに沸く西部で、開拓民がカリフォルニアのオーバンの町を目指し、昼夜をかけて走破したシエラネバダ山脈を越える山道を、史跡として残すための、記念事業の100マイルレースである。これにならい、フランスやオーストラリアでも100マイルレースが行われ、世界各地で競技会が開催され、日本でも2000年から日本選手権が行われている。1日に最低160km以上を走行する上級から、40~79kmを走行する初級まで、走行距離により4区分のクラスがある。一定区間ごとに、走行時間の測定と馬の獣医検査が行われ、それをクリアした馬だけが、次の区間に進め、完走時間の短い順に、順位がつけられる。しかし完走時間の速さのみが競われるのではなく、馬の健康を気遣うという、アニマル・ウエルフェア(動物保護)の視点が重視される。したがって、馬の最大心拍数が一定時間内に、定められらた数値に下がらないと、失格となる。乗り手(ライダー)は14歳以上、競技馬は6歳(世界選手権、大陸選手権などでは7歳)以上で、馬種は問わないので、日本では在来種の道産子や木曽馬が参加する例がある。08年のエンデュランス世界選手権大会が、マレーシアのトレンガヌ州で開催(11月9~11日)されることが、07年11月に決定している。