文化庁が国語施策の立案の参考にするために1995年度から毎年実施している、日本人の国語理解の調査。2011年度の調査は12年2月から3月に行われ、同年9月20日に調査結果が発表された。調査対象となったのは全国の16歳以上の男女3474人(有効回収率は59.6%、2069人)。11年度は、(1)言葉遣い、(2)人とのコミュニケーション、(3)日常に使う表現、などについて調査を行った。自分自身の言葉遣いについて「気を使っている」と回答した人は77.9%と、同じ質問をした前回04年度の調査から7.3ポイント増加。また、混んだ電車を降りる際など、公共の場で周囲の人に声掛けを行うと答えた人は、同様に前回1998年度の調査より上昇した。また、電子メールなど、情報交換手段が多様化したことが日常生活に与えた影響として、「漢字を正確に書く力が衰えた」と答えた人が66.5%と、2001年度の前回調査から25.2ポイント増加しPublic survey of the national language, 2008た。日常に使う言葉については、腹が立った際に「むかつく」と表現する人は51.7%と初めて半数を超えたほか、今回初めて「ゆっくり、のんびりする」ことを「まったりする」と言う人が29.0%いることがわかった。言葉の意味の認識調査では「にやける」を本来の「なよなよとしている」の意味で使う人は14.7%と非常に少ないことなどがわかった。