国際オリンピック委員会(IOC)によって採択されたオリンピックの根本規範で「オリンピックの憲法」とも呼ばれる。「近代オリンピックの父」ピエール・ド・クーベルタン男爵が掲げた理想「オリンピズム」を成文化したもので、日本オリンピック委員会(JOC)の公式サイトによれば、初めて書かれたのは1908年。以後、時代の変化に合わせて何度も改訂されてきた。2011年7月から有効の現行憲章は、全6章61条と付属細則から成る。第1章の前に記された「オリンピズムの根本原則」によれば、「オリンピズムの目標は、スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある」とされる。以下第1章では、この「オリンピズム」を世界に広げる運動である「オリンピック・ムーブメント」の構成や組織、活動について、第2~4章では、オリンピックを支える組織としてのIOCや、各競技の最高機関である国際競技連盟(IF)、及び各国オリンピック委員会(NOC)について、第5章は「オリンピック・ムーブメント」最大の成果となる「オリンピック競技大会」の開催条件や実施される競技など、そして第6章では、各組織の委員や各競技のチーム及び選手等への「処分及び制裁、紛争の解決と手続き」について述べられている。また、幾度も国際政治や商業主義に翻弄された歴史を踏まえ、報道、広告等には厳しい一線が引かれ、第5章50条には、オリンピック開催場所や競技会場、その他のエリアでは、いかなる形の広告宣伝も許されず、いかなる種類の示威行動または、政治的、宗教的、人種的な宣伝活動も認められない、と定められている。