事業者や一般の人々が海浜や海水域を利用するための、安全・安心のための共通のルール(規則)やマナー(礼儀や作法)。関係する地域の官民からなる検討委員会によって制定されている例が多い。海や浜は海水浴などのマリンスポーツやレジャー、憩いの場所であるなど公共の場として機能しているばかりでなく、漁業者や観光関連の事業者によっても利用されており、利用目的や利用形態が交錯することによって、事故や不利益、マナーの劣化が生じるケースも多く、海や海浜を持つ地域では独自の海・浜利用ルールブックを制定しているところがある。そこでおおむね禁じられている行為としては、船舶の航行や漁業の操業の妨げになるようなボートやマリンバイクの走行、同じく禁じられた区域での高速走行、遊泳者への近接などのほか、定められた場所以外への車両の侵入、あるいはリードをつけないイヌの散歩や排泄物の不始末、時間外の騒音や花火、指定場所以外でのたき火やバーベキュー、さらには密漁などが挙げられる。またウミガメなどの希少動植物の保護のために、ルールを定めている例もある。いずれにしても、地域における事業者や生活者と一般利用者との相互の利益や、自然保護の観点からなり、なかには違反をすれば条例や法律によって罰せられるおそれのあるものも含まれている。こうした海・浜ルールは、神奈川県逗子市、同茅ヶ崎市、同横須賀市、同葉山町など、とりわけ相模湾沿岸では県の指導で自治体ごとに設けられており、また千葉県館山市でも独自のルールを自発的に定めている。しかしなかにはルール設定に当たり、異なる団体同士で意見が異なり、問題が起きている例もある。