国際オリンピック委員会(IOC)に1981年に設置された、選手代表の委員で構成される「アスリート委員会」の委員のこと。報道では「IOC選手委員」とも表記される。現役選手や元選手を主とするアスリート委員の主要な役割は、選手の意見をオリンピックの運営に反映させること。同委員は夏季競技から8人、冬季競技から4人が、夏季・冬季オリンピック開催期間中に行われる選挙で大会参加選手の投票により選出され、ほかにIOC会長の推薦などによって任命される。委員数約20人、任期8年。なお、選ばれるのは各競技につき1選手のみ。同委員はIOC委員を兼任し、オリンピック招致都市の決定選挙の投票権などを有する。日本からは96年にシンクロナイズド・スイミングの小谷実可子がIOC会長推薦によってアスリート委員に就任した。2000年にはテニスの松岡修造、02年と06年にはノルディックスキー複合の荻原健司が立候補するも落選。12年のロンドン・オリンピックで行われた選挙では08年の北京オリンピックでの選挙に続き、ハンマー投げの室伏広治が立候補し初当選したが、選挙活動違反があったとされ当選無効となった。日本オリンピック委員会(JOC)は8月11日、この決定の説明を要求する文書をIOCに送付。これを受け、IOCは翌12日の総会で予定された新選手委員の承認を延期した。