気象庁が観測で用いるサクラの開花日は、観察の対象として決められた標本木に5~6輪以上の花が咲いた状態になった最初の日のこと。観測員が確認して開花を判断すると、開花宣言とされる。サクラの満開日は、同じく標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日のこと。開花から満開までの期間は、その地域やその年の気温などによって変化するが、だいたい数日から1週間程度かかる。観測対象となるサクラはほとんどがソメイヨシノだが、ソメイヨシノが生育に適さない沖縄・奄美地方はヒカンザクラ、北海道地方はエゾヤマザクラかチシマザクラが対象となっている。気象庁は生物季節観測の一つとして、春を代表する季節現象である開花と満開を観測し、1955年からは、観測データを基に全国の開花日予想を実施していた。しかし、民間への予報業務開放の流れと、民間気象会社や団体の予想精度が増したことなどを理由に、2009年を最後に開花日予想から撤退し、10年以降、サクラの開花日予想は民間に委ねられた。