誤変換から生まれた奇抜な作品を募り、優れた「誤変換(漢)作品」を選出して発表する、(財)日本漢字能力検定協会が行うコンテスト。パソコンであれ携帯電話のメールであれ、今や文章作成において、文章入力ツールは不可欠である。変換候補の用語を文脈から判断するAI(人工知能)機能が備わった文章入力ツールで、任意の言葉を変換すれば、文章に変換される。しかし問題は、入力ミスや、句読点のつけ方や、先読み変換、学習機能などから生じる変換ミスで、その結果、意図しない言葉や文章が表示されてしまう、という経験は誰にでもある。こうした誤変換を逆手に取るかのように、協会では「作品」を毎月募り、1年に1回「年間変漢ミスコンテスト」を実施。2006年の第1弾では「今年から貝が胃に棲み始めました(「今年から海外に住み始めました」の誤変換、以下同)、第2弾では「要介護お願いします(八日以後お願いします)」が選出された。08年4月発表の第3弾の最優秀作品には「馬食い家内が象サイズになった(うまくいかない画像サイズになった)」が選ばれ、いずれも、入力者の意図と変換結果に落差が際立つ、優れた「変換(漢)作品」となっている。