1972年にアメリカのケナー(Kenner)社から発売された6分の1サイズ(約28センチ)の着せ替え人形。体に比して大きな頭や、後頭部のひもを引くと4色に変わる大きな目などを特徴とし、着替えやウイッグなどのグッズとともに売り出されたが、人気が出ず1年で生産中止となった。日本でも、同年パッケージや服などを日本向けにアレンジした「まほうのひとみアイアイちゃん」として発売されたが、特に注目はされなかった。ところが、2000年、アメリカでジーナ・ガランというコレクターが自身で撮影したスナップ写真に、日本のCWC社が注目。ケナー社から権利を受け継いでいたハスブロ(Hasbro)社の許諾を得て、ブライスを使ったパルコのCMをプロデュースしたことで人気に火が付き、01年6月、CWCがドールの企画・デザイン等をプロデュースし、タカラ(現・タカラトミー)が製作・販売するレプリカが発売されるに至った。以後オリジナルをビンテージブライス、レプリカをネオブライスと呼ぶ。その後、人気はアジアからヨーロッパまで広がり、02年には約11センチのプチブライス、05年には食玩(約7センチ)のブライスベル、10年には中間サイズ(約20センチ)のミディブライスなども誕生した。比較的加工しやすいこともあり、髪形やメイクを自分流にアレンジしたり、自作のオリジナルファッションを着せたりするカスタマイズを楽しむファンも多く、入門書なども多く出ている。また、プラダ、グッチ、ヴェルサーチなどの高級ブランドに身を包んだ写真集もある。11年6月から12年春にかけては、「ブライス10周年アニバーサリー展覧会『10 Happy Memories』」を各地で開催。01年の再生から現在までの歴史をたどる総勢380体以上の全ブライスをはじめ、限定ドールや新作グッズの販売など、ブライスの魅力を余すところなく公開している。