(1)普通の人が口にしないような妙なものを好んで、またはわざと食べること。また、その人。「彼はなかなかいかもの食いで、酔うとすぐに蛙(かえる)の唐揚げを食いに行こうと言うんでまいりますよ」(2)普通の人とはかなり違った趣味や嗜好(しこう)を持つこと。普通の人が魅力を感じないような、一風変わった異性と好んで付き合うこと。また、その人。「えっ、彼女と結婚するんだって。いくらなんでもそんないかもの食いしなくても……」
〔類〕下手物(げてもの)食い
〔語源〕「いかもの」は、「如何様物」を中略した「如何物」で、普通と違ってどうかと思われるもの、の意という。また、ほかに「以下者」とする説がある。「以下者」は江戸時代の大奥女中の中で、将軍夫人に対面できない身分の低い女中のこと。そのような人たちが食べる下等なものという意味から、という。