(1)劇団・芸人などが地方回りをすること。また、決まった劇場を持たず、もっぱら地方回りをする劇団。「あの人は一時はどさ回りの劇団に入って苦労して芸を磨いたそうです」 (2)盛り場などを歩き回る与太者。「駅裏の小道はどさ回りの巣だから夜は通らないように」 (3)地方の支店などに配置転換になること。「部長も長い間どさ回りで苦労したから人情がよく分かる」
〔語源〕(1)ドサア言葉(東北弁)の土地へ行って興行する芝居の意からとも、(2)どしゃ降りになると休みになるような田舎芝居の意からとも、(3)「どさ」は「佐渡(さど)」の倒語で、流刑の地佐渡が絶海の孤島であったことから「どさ」が「地方・田舎」の意となり、「どさ回り」の語が生じたともいう。