人体の肩から指先までの全体、また、その部分(「手の長い人」「手で押す」)。とくに、手首から先の部分(「手で握る」)。手首・手のひら・指先などをさすこともある。また、人間以外の動物の前肢(まえあし)。そこから、そのような形態や働きをしているものをいい、本体から分かれ出た部分として、「やかんの手」などと使い、伸びたり動いたりすることから、「火の手が上がる」などという。手の行為のかかわりから能力や技術の意として、「手が上がる」「手に余る」、手段や方法の意として、「打つ手がない」、手数やくふうの意として、「手を掛ける」「手の込んだ料理」、作戦や技の意で、「いい手を考える」などと使う。さらに、書いたり修正したりする意で、「原稿に手を入れる」「教師の手が入っている」などと使う。また、仕事をする力、働く人の意で、「手が足りない」、ある人の支配下に働く人の意で、「敵の手のもの」などと。あるいは方向や種類をさす意として、「山の手」「この手のものは信用できない」などと使う。