賭博のこと。江戸幕府の法令では、賭博は「博奕(ばくち。ばくえきともいう)」と表記された。賭博を打つ人を「博奕打ち」といい、それが「博打」に省略され、次第に賭博そのものを表す言葉となった。日本における博打の根源は「双六(すごろく)」で、盤の左右に罫(けい)を引き、丸い駒を六つ並べ、賽子(さいころ)を振って出た目の数によって勝負を決めるものである。これは江戸時代後期にはすたれ、代わって賽子のみを使う博打が一般的となる。賽子を使う博打も各種あり、賽子1個のみを使うのを「ちょぼいち」、2個使うのを「丁半(ちょうはん)」といい、3個使うものには「キツネ」と「ヨイド(別名に十四九[とおしく])」があり、4個使うのを「チイッパ」、5個使うのを「天災」といった。
幕府(ばくふ)
武家の政府で、もともとは近衛大将や征夷大将軍の居所を指したが、鎌倉幕府以来、征夷大将軍に任じられた武家が政治を行う場所やその政府のことをいった。
丁半(ちょうはん)
2個の賽子(さいころ)を使って、賽子の出目の合計が偶数(丁)か奇数(半)かを賭ける博打。賭場の元締めとなる胴元(どうもと)はおらず、丁を張る者と半を張る者は賭け金の総額が等しくなければならない。