宿場で人馬の継ぎ立てを行う場所。現在でいえば駅である。本来は公用人馬の継ぎ立てを行う場所だが、商人の荷物も取り扱い、御用旅館の手配なども行った。幕府が管轄する五街道では、1~2カ所の問屋場をもつ宿が多いが、大きな宿では3カ所以上ある場合もある。問屋場の周辺には旅籠が建ち並び、宿の中心的な施設だった。問屋場の責任者は問屋で、宿場内での有力者だったから、本陣を兼ねる場合もあった。問屋場には、問屋・年寄・名主らの宿役人が詰め、人馬の差配にあたった。
宿場(しゅくば)
旅人が宿泊する施設が集まる場所。運輸・通信・休泊を任務とする公共施設であり、その業務を果たすための「問屋場(といやば)」が置かれた。
幕府(ばくふ)
武家の政府で、もともとは近衛大将や征夷大将軍の居所を指したが、鎌倉幕府以来、征夷大将軍に任じられた武家が政治を行う場所やその政府のことをいった。
旅籠(はたご)
宿場において、参勤交代の大名や勅使(ちょくし)、あるいは幕府役人などが宿泊した本陣、あるいはそれに準じる脇本陣以外の、食事付きの旅宿。