[一言で解説]
法が命じた義務に反したときに、金銭を支払わせる罰。罰金と似ているが、金額が小さい点と、刑法が適用されない点が違う。
[詳しく解説]
裁判員法では、金銭を支払わせる罰として、罰金や過料があります。たとえば、質問票に嘘を書くと、虚偽記載罪として50万円以下の罰金に処せられます。これに対して、たとえば、呼び出されたのに正当な理由なく出頭しない裁判員候補者は、10万円以下の過料に処せられます。罰金は刑事罰であり、金額が大きいので、いい加減に科しては重大な人権侵害を招きます。刑法には、その「総則」という編で、刑罰を科すのに慎重を期する手続きが定められてあります。罰金刑は、このような刑法総則が定めている厳格な手続きを経なければ科すことができません。これに対して、過料は刑罰ではなく、金額が小さいという特徴があります。この両者は、性質が異なる罰なので、併せて科することもできます。たとえば、虚偽記載は、50万円以下の罰金刑のほか、場合によっては別に30万円以下の過料を併せて課せられることもあります(併科)。このように重い罰を科する必要があるかは議論のあるところです。