[一言で解説]
罪を犯すことが悪いことだと理解できる精神状態にあること。責任能力が欠ける場合として、心神喪失などがある。
[詳しく解説]
人を殺すのは悪いことだからやるなと刑法に書いてあるのに、それが悪いことだと判断できない人を非難するわけにはいきません。ですから、そういう人の行為には犯罪は成立しません。これを責任主義といいます。そして、そのような非難ができる精神状態を責任能力といいます。人を殺すのは悪いことだと判断できないような人は、責任能力がないのです。責任能力があるといえるためには、善悪を判断できること、判断したとおりに行動できることが必要です。善悪の判断ができない人を責めることができないことは先に触れましたが、それと同じように、人殺しが悪いと判断できても、そのとおりに行動できなければ、その人を非難することはできないのです。