暑いときは物陰に入って涼んでいたのに、涼しくなるとすぐに日陰のありがたさなど忘れてしまう。苦しいときが過ぎてしまえば、そのとき受けた恩義を忘れることを戒める言葉。
〔類〕雨晴れて笠(かさ)を忘れる/喉元過ぎれば熱さを忘れる/病治りて薬師(くすし)忘る
〔出〕俳諧(はいかい)・毛吹草(けふきぐさ)
〔会〕「あれだけ、もう恋人なんかつくらないって言ってたのに。順子ったら……」「暑さ忘れて陰忘るで、あのあとすぐよ、こんどの彼とも……」「根が好きなのよねえ」