(菖蒲も杜若も同じアヤメ科の花である) 鵺(ぬえ)を退治した源頼政が、褒美として菖蒲前という美女を宮中から賜(たまわ)ろうとしたとき、12人の美人のなかから目指す菖蒲前を選び出してみよと命ぜられ、「五月雨(さみだれ)に沢辺(さはべ)の真薦(まこも)水越えていづれ菖蒲(あやめ)と引きぞ煩(わづら)ふ」(太平記 巻21)と詠(よ)んだという伝承から、いずれが優れているか選択に迷うことをいう。
〔出〕洒落本(しゃれぼん)・遊子方言(ゆうしほうげん)
〔会〕「営業の恵美子、美人だなあ」「総務の理恵だってなかなかだぜ」「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)。ま、おれたちには関係ないけどな」