江戸と京都の両地方でよく使われる方言の特色をいったものである。「べらぼう」は愚かしいとか甚だしいことをいい、いかにも乱暴な言葉遣いであり、これに対して「どすえ」は、「ですよ」の意味であり、いかにも物優しい語調ではないか。
〔類〕大阪さかいに江戸べらぼう/長崎ばってん江戸べらぼう
〔会〕「てやんでえ、べらぼうめ。男のやることにいちいち口を出すなってんだ」「すんません。そやけど、あんたさん、怒った顔もかわいおすな。またまた惚(ほ)れ直してしまいそうやわ」「だめだ、こりゃ。江戸べらぼうに京どすえでけんかにならねえ」