表面は穏やかな人柄に見えても、油断は禁物で、いつ態度が豹変(ひょうへん)するかも分からない人をいう。中国の唐代の人・李義府(りぎふ)は、うわべは柔和そうであったが、内心は腹黒い人間であったという故事による。
〔類〕餌(え)の中の針/奥歯に剣(つるぎ)/口に蜜(みつ)あり腹に剣ある/笑中に刀あり/真綿に針/綿に針を包む
〔出〕唐書(とうじょ)
〔会〕「大村課長はいつも笑顔を絶やさないわね」「あの笑顔が曲者(くせもの)なのよ。笑(え)みの中(うち)の刀で、腹の中じゃ何考えてるか分かったもんじゃないわよ」