(「番茶」は、摘み残しの葉から採る品質の劣る茶だが、その番茶も湯を注いだ入れたての出花は、なかなかの美味であるところから) なんにでも盛りの時期があるもので、鬼にたとえられるような容貌(ようぼう)の優れない娘でも、年ごろになれば娘らしい艶(なま)めかしさが出てくることをいう。古くは男女のいずれにもいった。
〔類〕鬼も十七 茨(いばら)も花/鬼も十七 番茶も煮花/南瓜(かぼちゃ)女も一盛り
〔出〕俳諧(はいかい)・毛吹草(けふきぐさ)/醒睡笑(せいすいしょう)
〔会〕「このごろ、たばこ屋の愛子ちゃん、すっかり娘らしくなったね」「子供のころ、色が黒くてぱっとしない子だったけど。やっぱり年ごろ、鬼も十八 番茶も出花だね」