退職を願い出ることをいう。昔は仕官するということは、この身を主君にささげることであったから、せめて骸骨同様となった無用の体だけでもお返し願いたいと上奏したのである。中国の楚(そ)の項羽(こうう)の軍師・范増(はんぞう)は秦(しん)を撃ち滅ぼす大功を立てるのだが、項羽と劉邦(りゅうほう)が相対した「鴻門(こうもん)の会」では項羽に劉邦を殺害するように進言したが入れられず、辞任を申し出たときに述べた台詞(せりふ)である。
〔出〕史記(しき)/晏氏春秋(あんししんじゅう)/続日本紀(しょくにほんぎ)
〔会〕「辞職願か。もうしばらく社のために尽力してもらいたかったんだがな」「いえ、これからは若い者の時代です。それで社長に骸骨(がいこつ)を乞(こ)いにまいった次第です」