民衆を苦しめる厳しくて残酷な政治は、人を食う虎よりも恐ろしいというたとえ。孔子が泰山の付近を通ったとき、女性が墓の前で泣き崩れていた。訳を尋ねると、舅(しゅうと)と夫とわが子が虎に食い殺されたと言い、それでもこの地を捨てて出てゆかないのは、治世が天下一であるからだと答えたという故事による。
〔出〕礼記(らいき)
〔会〕「東商会って仕事がきつくて有名な会社なのに、みんな辞めないねえ」「なんでも社長が大人物で、好きなように仕事をやらせてるらしいよ」「うちとは大違い。苛政(かせい)は虎(とら)よりも猛(たけ)し。あああっ、辞めたい」