金のなくなったときが、付き合いの終わるときの意であって、花柳の巷(ちまた)から出た句である。その人に金があるうちは、ちやほやとおだてあげるが、なくなったと知ると、途端に手のひらを返したように去ってしまうのが世の習いであろう。
〔類〕愛想尽かしも金から起きる/金のないのは首のないのに劣る/貧乏が戸口から入ると愛は窓から逃げ出す
〔会〕「家からの送金がストップした途端に、電話ひとつかかってこないんだ。まったく、ひどい女だ」「金の切れ目が縁の切れ目か。ご大家のお坊っちゃまも金がなければ、ただの人か」「おいおい」