かわいがっている者に対して、その度合いが強ければ強いほど、いったん憎いとなると、その憎しみも並大抵のものではなくなることをいう。このような感情は、恋愛のもつれなどによく見られる。
〔類〕可愛い可愛いは憎いの裏/好(す)いたほど厭(きら)い
〔対〕憎い憎いは可愛いの裏
〔出〕歌舞伎(かぶき)・白縫譚(しらぬいものがたり)
〔会〕「部長、このごろは高橋に厳し過ぎるんじゃないか。前はあれほど目をかけていたのに」「プロジェクトであんな失敗をしたからな。可愛(かわ)いさ余って憎さが百倍ってとこなんだろうな」