雁が飛びたつのを見ていた石亀が、自分も飛ぼうとして身をよじるが、どうにもならぬことをいう。自分の立場や分際を忘れて、やたらにうらやましがることの愚かさを諭す教訓。
〔類〕蛙(かえる)が跳べば石亀も地団駄/鯉(こい)が躍れば泥鰌(どじょう)も躍る/鶴(つる)が飛べば瓢箪(ひょうたん)も羽たたき
〔出〕浄瑠璃(じょうるり)・唐船噺今国性爺(とうせんばなしいまこくせんや)
〔会〕「おい、振りが大き過ぎるぞ」「鈴木のようにホームランを打ちたいんです」「そういうのを雁(がん)が飛べば石亀(いしがめ)も地団駄(じだんだ)というんだ。おまえはパワーバッターじゃない。自分の持ち味を忘れるな」