本来の自分を忘れて、いたずらに人まねを続けると、しまいには自分のことも忘れて、中途半端になってしまうというたとえ。むかし中国の趙(ちょう)の都・邯鄲の人々の歩き方をまねしようとした田舎者が、都人の歩き方を身につけないばかりか自分の歩き方まで忘れ、這(は)って故郷に戻ったという故事による。
〔出〕荘子(そうじ)
〔会〕「いくら正が転職をして成功したからって、きみがまねすることはないよ」「だって、あんなにうまくやってるんだぜ」「邯鄲(かんたん)の歩みというだろ。きみにはきみの道があるんだから、早まるなよ」