(木に登って魚を探そうとすることから) 手段が間違っていると、何かを求めようとしても得られないことをいい、また、見当外れの無駄な努力をして、実現しがたい望みをもつことをいう。武力だけで天下を治めようとすることのむずかしさを、孟子(もうし)が斉の宣王に説いたとき、わざわざ木に登って魚を捕ろうとするような愚かなことは避けよ、と諭した故事による。
〔類〕氷を叩(たた)き火を求む/水中に火を求む/畠(はたけ)に蛤(はまぐり)/百年河清を俟つ
〔出〕孟子(もうし)
〔会〕「あいつ、心理学の単位を取るために大谷教授のところへお中元を持っていったらしいぜ」「大谷教授は頑固者で有名だぜ。それじゃ木に縁(よ)りて魚を求むだよ。ちゃんと出席するしか方法はないんだから」