(「傾城」は、一目見ただけで一国の城と交換してもよいと思うほどの美女、あるいは遊女) 遊女というものは、客の機嫌をとるために平気でどんなうそでもつくものであるから、だまされてはならぬという戒め。
〔類〕傾城に誠あれば三十日に月が出る/傾城の心と猫の鼻は冷たい/傾城の千枚起請
〔出〕浄瑠璃(じょうるり)・三世相(さんぜそう)
〔会〕「おい、おまえ、へんな女にうつつを抜かしているってほんとうか」「すごく優しいんだから彼女。美人だし」「おまえ、傾城(けいせい)に誠なしって知らないのか。よく考えろ」「それ、父さんの体験なの?」