(「跖」は中国の春秋時代の大盗賊であり、「尭」は古代中国の伝説上の聖なる天子) 盗賊の跖に飼われている犬は、飼い主の跖にはほえないが、他人ならば、聖人の天子の尭にでもほえつくことをいい、人が主人に仕えるのは、かならずしも主人の理非曲直を判断してのうえではないことをいう。また、悪に荷担して賢人をねたむことにもたとえる。
〔出〕戦国策(せんごくさく)
〔会〕「なんだと、若僧。うちの寿司(すし)ネタが輸入物だって」「うちの親方がそう言ったんだから間違いないぜ」「けっ、まさに跖(せき)の狗尭(いぬぎょう)に吠(ほ)ゆってなもんだ。文句を言うならこれを食ってからにしな。ほれ、正真正銘の江戸前寿司だ」