(「先鞭」は人に先んじて馬に鞭(むち)を入れること) 他人より先に手をつけることをいう。中国の晋(しん)の時代、劉こん(りゅうこん)と祖逖(そてき)は友人の間柄であったが、劉こんはさきに祖逖が手柄を立てることを恐れ、「いつ自分より先に祖逖が馬に鞭を入れるのではないかと、戦々恐々としている」と知人に手紙を出したという故事による。
〔類〕祖生の先鞭/祖生の鞭
〔出〕晋書(しんじょ)
〔会〕「なんだい、この気色悪い絵は」「これこそシュールレアリズム運動に先鞭(せんべん)をつけた傑作ですよ」「そうかね、変人の描いた絵にしか見えないが」「ええ、彼もこの絵を発表した当時は、心ない人々から異端者扱いされたそうですよ」