(「糟糠」は酒粕(さけかす)と糠(ぬか)をさし、きわめて粗末な食事をいい、「堂」は表座敷をさす) 貧しい時代から共に暮らしてきた妻は、立身出世したからといって、家から放り出すことはできないことをいう。中国の後漢の時代、光武帝は寡婦となった姉を、人格識見ともに優れた宋弘(そうこう)にめあわせようとして問答したとき、宋弘が答えた言葉による。
〔出〕後漢書(ごかんじょ)
〔会〕「同棲していた彼、どうしたの……」「上司の娘と結婚しちゃった」「まあ、昔はさんざんあんたに苦労させたくせに」「いいの、あんな男」「糟糠(そうこう)の妻は堂より下さずって言うけど、昔の男は偉かったのね」