大きな事業を志す者は、小さな欠点や失敗などに煩わされることなく、目的を明確にして積極的に進むことが肝要であるという教訓。中国の漢の時代に、秦(しん)を滅ぼした劉邦(りゅうほう)は次いで天下をねらったが、戦力に勝った項羽(こうう)に攻められたために、恭順を示そうと鴻門(こうもん)に会した。このとき項羽は劉邦の命をねらったが、これを知った劉邦の臣下の樊かい(はんかい)が、主君が厠(かわや)に立ったときにそのまま逃走するように勧めた。このとき樊かいが口に出した言葉である。
〔類〕大行は小謹(しょうきん)を顧みず
〔出〕史記(しき)
〔会〕「近ごろの選手は、スケールが小さくなったね」「コーチが、欠点ばかりほじくり返すから、画一的な選手になっちゃうんだろ」「大行は細謹(さいきん)を顧みず。素質のある若者は、もっと大きく育ててほしいもんだ」