なすべき仕事が多ければ多いほど、いよいよりっぱにやってのけることで、豊かな才能と能力をもつ人間をいう。中国の漢の時代、高祖が臣下の韓信(かんしん)に、自分はどれくらいの兵力を動かすことができるだろうか、と尋ねたとき、韓信がせいぜい10万だと答えた。それではあなたはどうかと問うと、「多々益々弁ず」と答えたという故事による。
〔類〕多々益々善し
〔出〕漢書(かんじょ)
〔会〕「少々早すぎるかとも思ったが、安田君を忙しい営業課長に抜擢(ばってき)して大正解だったな」「むずかしいポストだけど、りっぱにこなしているじゃないか」「多々益々(ますます)弁ず。なかなかの切れ者だよ」